培養肉はグローバル大量屠殺(畜殺)をなくせる

培養肉はグローバル大量屠殺(畜殺)をなくせる

培養肉と屠殺について

培養肉ってなに?

まず第一に、培養肉(cultivated meat)はヴィーガンではありません。ですが、世界中で膨大な数の屠殺をなくすことが出来るという事でヴィーガンの間でも期待されています。

ウィキペディアによると、
培養肉(ばいようにく)とは、動物の個体からではなく、可食部の細胞を組織培養することによって得られた肉のことである。動物を屠殺する必要がない、厳密な衛生管理が可能、食用動物を肥育するのと比べて地球環境への負荷が低い、などの利点があり、従来の食肉に替わるものとして期待されている。

では、もう少し詳しく見ていきましょう。

屠殺をする必要がない

現状では毎日、大量の動物が狭い檻に詰め込まれ、別の場所に輸送され、トレードされ、残酷に扱われています。

培養肉は、そういった動物に対する残酷行為をなくすことが出来ます。

成長ホルモンが使われていない

通常は「エストロゲン」や「テストステロン」が家畜を育てるために使われていますが、まったく違う環境で作られる事になる培養肉には、そういったホルモンを使う必要がなくなります。

抗生物質が使われていない

培養肉は、食肉加工工場とは比べようがないほどクリーンな環境であるため、病気に掛からないように使われている抗生物質を必要としません。

ちなみにアメリカでは、80%以上の抗生物質は家畜産業に売られているとのことです。

ローカルで生産できるようになる

培養肉生産施設は、場所を選ばず、広大な土地を必要とせず、同じ環境でどこでも作れるようになる為め、現在行なっているような輸送をする必要がなくなります。したがって、環境にもやさしいのです。

フード・サプライの確保に繋がる

今回起きたようなCOVID-19時に、フードの安全性、生産量の確保をロックダウンに影響されずにできるようになる。(生産量を正確に管理できる)

温室効果ガスの排出を大幅に削減できる

家畜業のみで、グローバル温室効果ガス全体の排出量の18%を占めている。培養肉にすることでその96%を減らすことができるとされている。

餌を与える必要がない

家畜には、餌を与える必要があり、それを賄うためには、広大な土地が必要です。そのために世界中で森林伐採が余儀なくされています。

水の消費量を削減

現在、グローバルレベルで異常気象や汚染などによって深刻な水不足が起こっています。UNによると、水のインフラが引き起こす健康的リスクはCOVID-19以上とされています。

113グラム(1/4lb)ほどの牛肉を生産するのに、5900リットルの水を必要とするそうです。

肉の値段が安くなる

2013年にオランダのフード・テック会社(Mosa Meat)は、培養肉を使ってのハンバーガを作る事に成功しました。

生産コストは日本円でおよそ3500万円ほど。そして技術も進歩し、今後数年で1000円以下、さらに10年後には500円以下になるそうです。

培養肉は、まだまだいくつかの課題があるとされていますが、技術的な発展に伴い近い将来現実になるところまできています。

今後培養肉やプラントベース肉の開発、生産、需要が拡大するにつれ、これまでの畜産業の規模は徐々に縮小していくでしょう。

これからの畜産業はまさにテックが不可欠な業界です。

ちなみにアメリカでは、「The Agriculture Fairness Alliance」により、運営の厳しい畜産業経営者がプラントベース農業などにスムーズに経営シフトを行う事を助けるようなプログラムについてのロビイングが行われています。


参考ウェブサイト
https://www.greenqueen.com.hk/10-reasons-why-cultivated-meat-is-the-future-of-protein-the-case-for-lab-grown/